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  SolidWorks の使い方

ソリッド演算 と PLの作成


ソリッド演算
工夫して演算
PLの作成
モールドツール
モールドツールを使わない例
ソリッド演算 と、金型のPL(パーティングライン)面の作成について説明します。
金型以外においても、複数の部品の はめあい や 摺動面 の作成などで参考になるでしょう。
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ソリッド演算

ソリッド演算(ブーリアン演算、集合演算)として、
があります。
さらに、類似したコマンドが他にもありますが、それは次の章 工夫して演算 で説明します。

ソリッド演算の基本は、「組み合わせ」です。

組み合わせを使うと、結果のソリッド(黄)だけが残り、元のソリッド(青と赤)は削除されます。

元の図形が削除されて困る場合は、あらかじめコピーしておきます。



「カット」にチェックを入れて「インデント」を使うと、元の図形を残したままソリッド演算(除去)ができます。


「ターゲットボディ」の青は、引き算された結果となり、「ツールボディ」で指定した赤は変化しません。

SolidWorks 2013 では、「交差」という機能が追加されました。

新機能「交差」は非常に便利なコマンド



同様のことを SolidWorks 2012以前で行う場合は次のようになります。

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工夫して演算

ここでは、金型などで使う少し複雑な形状のソリッド演算と、それ以外の同様の結果を作るコマンド などについて説明します。

次は、「交差」を利用した金型の入子の作成の例です。(SolidWorks 2013以降)

同様のことを、「部品分割」を使ってやってみましょう。
「部品分割」は、サーフェスで1個のソリッドを 複数のソリッドに分割する機能です。
(SolidWorks 2012以前でも可能)

入子が不要で、入子用のポケットだけ、あるいは貫通穴だけ必要ならば、「押し出しカット」が使えます。

「反対側をカット」にチェックを入れると、逆に入子のソリッドだけが得られます。

カットのコマンドは、うまく使うとソリッド演算の引き算(除去)と同等の結果を得られます。 ↑top

PLの作成

製品形状から型を作る方法を、次の簡単な例で説明します。

まず、「抜き勾配解析」で、抜き方向に正面、角度を 0度にし、
PL(パーティングライン)を確認します。

ここでは、PLの変化部分を直線で近似します。
(より厳密なPLを作る場合は、次の モールドツール を使います。)

右側面でスケッチを作り、成型品の外側のPLを作成します。

左側からみて、内側のPLを作成します。

円筒のエッジ周りのPLを作ります。

最後に、ソリッド演算で下型、上型を完成させます。

(ここでは、製品部の勾配や収縮は無視しました。)
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モールドツール

SolidWorks には、モールド(型)を作るためのツール群があります。

表示タイプ は、型設計に必要な表示のオン/オフを変更することができます。
これらのコマンドは表示だけの変更ですが、オンにしたままスケッチを作ったり、モデリングしたり、
切削シミュレーションをすると便利です。




  1. PL位置の確認
    例として次の図形を使います。
    まず、 表示タイプ を使ってPL(パーティングライン)を確認します。


    円錐が 30度傾いている場合、PLは円錐の回転軸からずれた位置になります。

  2. PLの作成
    このPLをモールドツールを使って作ります。



    「挿入」「モールド」にあるモールドツールは、原則上から順に実行すると、
    PL面が作成できるようになっていますが、
    これらのツールを途中まで使って、残りの作業を別のコマンドを使ったり、
    途中からこれらのツールを使うことも可能です。

    次の手順では、モールドフォルダは「パーティングライン」を実行すると自動的に作成されます。




    「面の分割」にチェックを入れると、ソリッドは、PLで面を分割します。
    上の例では、1個の円すい面が上下2個に分割され、最初のエッジを「パーティングライン1」として 選択しています。



    2番目以降のパーティングラインを選択して、閉じたPLが完成したら を押してください。

    元のソリッドの他に、キャビティ、コアのフォルダができて、サーフェスボディが作成されているはずです。
    (サーフェスフォルダが表示されていない場合は、 システムオプション の Feature Manager を設定してください。)

  3. シャットオフサーフェス
    次のように貫通穴がある場合などは、「パーティングライン」を実行しても、キャビティ・コアに分割できません。
    このときは、「シャットオフサーフェス」を使います。


    分割したいエッジを選択するだけです。

    シャットオフサーフェスは、面の方向などが指定できません。
    上の例では、おそらくPL面を 成型品と同じ円筒面にするのが望ましいでしょう。
    表示タイプ の「ゼブラストライプ」を使って確認するとよくわかります。
    別のPL面の作り方( モールドツールを使わない例 )については後述します。

  4. パーティングサーフェス
    パーティングラインを、元にサーフェスを作ります。


    「パーティングサーフェス」を起動すると、パーティングラインが自動で選択されます。
    この例では、全周一度にPL面を作るのは良くないため、PLエッジを選択しなおします。

    各チェックボタンや角度などの入力欄は、表示を見ながら調整してください。

    もう一度「パーティングサーフェス」を起動して、大きい円のまわりのPLを作ります。

    2回で作ったPL面を延長トリムします。

    余分な面を削除して、反対側も作成してPL面の完成です。

  5. キャビコア分割
    「キャビコア分割」では、型の大きさを示すスケッチを作り、PL面を指定します。


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モールドツールを使わない例

モールドツール の 2. で「抜き勾配分析」をクリックしたところで
PLのエッジはできています。

このPLのエッジを使って、2個の押し出し、1個の押し出しカットで基本形状を作成、
ソリッド演算 をすると、型ができます。

貫通穴に相当する円筒を作って、穴のPL位置の調整をして完成です。



モールドツール と それ以外のコマンド をうまく使い分けると良いモデルが出来ます

モールドツールは、サーフェスのコマンドが主となっていますが、ソリッドのコマンドの方が
早くきれいに出来る場合も多いです。
うまく使い分けて良いモデリングを作ってください。

勾配・収縮・入子ピン構造、収縮などは、ここでは考慮しませんでした。
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