5. SolidWorks のグラフィックでわかりやすい表示 |
このホームページの左上に HSMWorksの文字があります。
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これは HSMWorks の正式ロゴではなく、CAD(SolidWorks)でモデリングしたものです。
画像キャプチャーをホームページ用にリサイズし透過 GIFにする画像処理をしました。
上の画像をクリックすると、画像処理をしていない画像が表示されます。
HSMWorksに正式なロゴは
hsmworks.com を参照してください。
SolidWorks の画像は非常に見た目がよく、きれいです。
光源の種類と位置、マッピングなどを調整すると、専用のグラフィックソフトに近い画像を得ることができます。
興味のある人は、自分でモデリングしたものをいろいろ調整してみてください。
きれいな画像は、便利な画像
さて、「CAD の画像がとってもきれいだよ!」の次は
「きれいな画像は CAM にとっては便利だよ!」という話です。
例として、次の形状をモデリングしました。

左がエッジシェーディング、右がワイヤーフレームの表示です。
ここで CAM 指示をすると、上のような
CAD のグラフィック
の上に
CAM のグラフィック
が追加して表示されます。それがとてもわかりやすいのです。
次から具体的にやってみましょう。
上の図に「何」が追加表示されるか、よく見てください。
Job設定(加工全体の設定)
モデル(仕上がり形状)は、上の画像の形状です。

ストック(加工前の素材形状)の形状を「自動」、オフセット量を 1 とします。

すると自動的にモデルよりオフセット量だけ大きい黄色のストックが表示されます。

黄色のストックは、モデリングしていませんが、システムが XYZの最小最大値を調べて自動で作ります。
もちろん、複雑な形状の場合は、自分で作成したソリッドをストックとして使うこともできます。
ストック(加工前の素材形状)からモデル(仕上がり形状)を引いたものが、加工で取り去るべき部分ですが、
ストックが半透明になっているので、どれだけ取り去るのかわかりやすいですね。
もし外形が仕上げてあるならば、オフセット量を 0 に変更しますが、それに合わせて画像も変わります。
外側に取り去る黄色の部分がなくなりますので、「ああ、外は仕上がっているんだな」と一目で分かります。
RGB(赤緑青)の矢印がありますね。これは加工原点と XYZの各軸です。
原点も Job設定で指定します。

CAD の座標系というフィーチャーに「加工原点」という名前をつけてみました。
原点位置の間違いはしたくないですね。一目で分かるのがいいですね。
工具ページの設定

見たとおり、ホルダー付きの工具が表示されます。
工具は、工具ページの設定以外のときは(シミュレーションで指示した場合を除いて)表示されません。
他の設定の時は、大きなホルダーはじゃまになりますからね。
図形ページの設定
図形のページは、どこを加工するかを、2次元や3次元の図形で指示します

加工境界として、モデルから、溝の端のエッジ1個だけを選択しました。
「正接に沿って延長」をチェックしていますので、延長されて閉じた領域が加工範囲として認識されました。
そして、それがモデルから離れた下の方で赤い線で表示されています。
加工境界は、このように2次元図形として認識されます。また、選択そのものでなく、図の例のように延長されたりするので、
この表示はとてもわかりやすいです。
図形ページでは、他にも2次元、3次元の選択がありますが、いずれもそれに応じた表示がされます。
高さページの設定
高さを設定します。

4個の高さうち、トップとボトムは、加工の上下端です。この2個に囲まれた部分が切削対象になります。
図の場合、「移動高さ」「退避高さ」「トップ」「ボトム」の4個の高さがありますが、
指定する項目の数は操作によって違います。
どの高さも、多くの入力方法があり、最初はデフォルト値が入っています。
いずれの場合も、その高さがグラフィックに平面で表示されて、簡単に確認できるので、とても便利です。
パス表示(シミュレーション)

パスを生成してみました。
.... パスが見えません。だって溝切削ですから。
どうしましょう?

ワイヤーフレーム表示、半透明表示でも良いです。
でも、もっと良い方法があります。
SolidWorks では、断面表示に切り替えることができます。

上の図のように、2平面でモデルを切断した断面をモデルを変更することなく
表示することができます。
断面表示すると、パスが見やすいですね。
切削シミュレーションでも、ストックの一部だけ表示することができます。

粗いピッチで加工していますので、コーナーR部分がきれいに仕上がっていないのが
良く分かりますね。
実際に切削したワークをワイヤーカットで切断しないと見えないこの断面が、
シミュレーションではこんなによくわかるんです。
もう少しシミュレーション
別の形状を見てみましょう
どれだけ残っているか見てわかりますか?

向きを変えてみましょうか?

どれだけ残っているでしょう?
実際に加工して切削ワークを見ても、削りすぎかどうかわからない場合もあるのですからね。
断面表示をして見ましょう

これならわかるでしょう。
シミュレーションの表示は半透明にできます。

左側の欄には、マウスカーソルの座標と一緒に、
距離(削り残しの量)
が
出ていますね。
ぜひ、このシミュレーションを使って、良い加工方法を検討してください。